「黒野田宿本陣見学とディープな笹子を知るウォーキング」レポート

大月市観光協会さん主催の一般参加者募集モニターツアーが開催されました。笹子町を巡るウオーキングで観光協会さんよりお声かけ頂き本陣つながりもあり、サポーターとして参加してきました。一般参加者と関係者の皆さんと見学、昼食、休憩をしながら約5時間の行程です。メインのガイド役は黒野田宿本陣のご当主の奥様が務めて下さいました。

【ルート】

JR笹子駅 出発10:00→葦が池碑→稲村神社・親鸞聖人念仏塚→阿弥陀海堂碑→笹一酒造→黒野田本陣 昼食・見学→笹子駅 アンケート・解散15:00

  

〇親鸞聖人にまつわる笹子の伝説の地「葦が池(よしがいけ)碑」

大月市笹子町吉久保地域にある沼池で往時には三丁余り(約9,000坪)の広さを誇っていたといいます。現在は干上がってしまい、石碑と説明看板があるのみです。この地には「よし」という娘が旅の僧侶への悲恋によりこの池に身を投げ毒蛇になってしまい、親鸞聖人に供養されたという「葦が池の伝説」が残っています。吉久保地域では実際に江戸時代にお葦さんという娘がいたそうで、親鸞聖人が毒蛇となった「よし」を供養する際に、この池に投げ入れたと伝わる経石も残されています。

この伝説は「笹子追分の人形芝居」の演目の中で「吉窪美人鏡・親鸞聖人御法海『毒蛇斉度の段』」として演じられており、現在まで伝えられています。お葦さんの子孫の方によるガイドと発掘された経石も特別に見せて頂く事ができました。

 

〇「稲村神社」

嘉永2(1327)年の創建、吉久保、原の氏神で日本武尊(ヤマノタケルノミコト)など4神が祀られている神社。境内には一つの根もとから三本の幹がのびる大杉や道祖神をはじめ様々な石造物があります。境内の入口前には「親鸞聖人念仏塚」を見学する事ができます。

 

〇「阿弥陀堂跡碑」

阿弥陀海(あみだかいどう)の名前の由来になったお堂で、行基(668~749年)上人による開基伝説が残る。現在お堂はないが安置されていた阿弥陀如来は黒野田の普妙院に移したと伝わり、跡地には多数の石仏がある。笹一酒造の東側。

 

〇「黒野田宿本陣」

甲州街道の黒野田宿は、道中最大な難所である笹子峠手前の最終の宿場町で旅籠の数も14軒もあり賑わっていました。黒野田宿の本陣は、母屋、薬医門、門構えや一階部分の出桁造り、室内に入ると土間やケヤキの大黒柱、大名などが泊まった上段の間が残されており、素敵な建具や欄間が昔の面影を今に伝えます。江戸時代は終わり本陣としての役割を終えた後、明治13(1880)年、明治天皇が巡行(地方視察)した時には、離れ棟を行在所(あんざいしょ)として宿泊のため提供しています。門の右脇には「明治天皇行在所跡」碑が残されています。所蔵の「明治13年6月13日今上陛下御巡行時御宿場割」や「御巡幸沿道略図」など普段公開していない貴重な古文書を特別に見せて頂く事ができました。

 

モニター参加者の皆さん、黒野田本陣ご当主、笹子地元民の皆さん、スタッフの大月市観光協会さん、大月市郷土資料館さん、大月市産業観光課さん、多くの方とお話しができた事、笹子町の歴史を深く知れた事、秋晴れの天気のもと気持ち良いウォーキングができて貴重な体験な一日でした。お土産は笹子名物「笹子餅」を購入、いつ食べても美味しいです。皆様お疲れ様でした。

 

大月市笹子町の伝説の地など、秋の季節に紅葉散策をしながら訪れてみてはいかがでしょうか。

 

【文:higoro@midohonnjin  画像:byみどう本陣】