◇初狩駅

初狩駅は、明治43年(1910)開業。昭和43年(1968)複線化によりホームは駅舎より高い所に設置されました。かつては旅客列車もスイッチバックを行っていた構造の残る駅です。改札口からホームへ向かうには構内通路を渡り地下通路から階段を昇りホームに到達できる。昭和時代の国鉄のころ、駅員さんは改札口からホームまで距離があるため乗客が乗り遅れないように発車待ちの合図をブザーで車掌に知らせ配慮してくれた、懐かしい記憶があります。現在は無人駅です。

資料によれば開業当時1日平均乗降客6人、駅年収約828円。昭和48年(1973)には駅の東にある甲州砕石会社の砕石輸送も盛んで1日乗降客3,000人、年収約2億円。

明治時代、駅設置にまつわるエピソードとして駅開業賛成の人、駅ができたら大変だ、村の平和が乱れる、機関車の黒い煙が困るなど反対の人がいた。村は財政難で駅舎の位置や用地獲得など大きな問題となった。そのような中、明治35年(1902)停車場設置請願書を初狩村会議員らにより決議し逓信省へ請願した。奥脇愛五郎(みどう当時の当主)は初狩停車場敷地代金の内、金400円を寄附。約2万平方メートルの敷地により現在の場所に設置されたとのことである

初狩駅は登山口まで徒歩アクセス可能な高川山や滝子山があり、石物や歌碑が多く残る美しい山々に囲まれたのどかな里山への玄関口です。

 

【大正3年(1914)4月撮影、初狩駅にて。©画像、資料byみどう本陣】